絵描きのnatunatunaさんこと、猿田なつ奈さんの展覧会『 輝く日々とこっちのみらい 』が9月13日(日)〜29日(火)までsenkiya敷地内ギャラリーで行われ、観させていただきました。


死者への敬意
哀しさや弔いの向こう側にある

希望や美しさを表現
なつ奈さんが描くきれいな藍色を基調とした様々な夜空の風景。それは、死者への敬意が込められた世界観。決して哀しさや弔う気持ちだけでなく、誰かに想いを託していくという希望や美しさに溢れ、夜は決して真っ暗闇なものではないと教えてくれている気がしました。

ライトタッチの中にある息づかい
ストーリー溢れる原画もさることながら、特に惹きつけられたのがナツナさんがノートに描きとめたラフ画集。作品を製作していく上での計画書的な設計図的な、何を捉えて考え、どんな構想で描こうとしていくのかのアイディアや想いがささっとしたタッチの中から垣間見られる気がして、見ていてとても楽しかったのです。

これは、ワタシの中で一番のお気に入りの絵☟
夕暮れ時の日常のひとコマを描いたであろう、この何気ない一枚の世界から、今にもストーリーが動き出しそうな息づかいを感じて目が離せなかったのです。誰かにこの絵の素敵さを伝えたくて、気がついて欲しくて、観に行くたびにさり気なくこのページを開いて置いてみたものでした。

絵とともに生きる
わたしは絵描き。

これは、きっとナツナさんご自身を描かれたのではないかと思う作品☟
ナツナさんが絵描きとして表現したい世界観、ストーリー、色と、全てがギュっと詰まっている気がして、静かに圧倒されました。「わたしは絵とともに生きている」という、なつ奈さんの気持ちの真ん中にあるブレないものを感じたのです。

やさしく穏やかに通り過ぎていく風のようだけれども、はっきりとした意志のある作品たち。観る者に何かを語りかけてくるような、気づきを与えてくれるような感じがなつ奈さんの絵なんだろうと思いました。

むすめはなつ奈さんの展覧会を観てから、いろんな色を使って、これまで以上に思うままに自由に絵を描くようになりました。彼女の中でもきっと何かしらの風が吹いたのだと想像しています。

ご本人に流れるゆるやかな空気感が会場の居心地の良さをつくり出し、さらには作品の良さをも引出し、そこへ人が集ってくる。ワタシも気がつけば4回も足を運んでいた次第です。これまでに手がけられたCDジャケットやイベントフライヤーは所々でお見かけしたことがあったけれど、原画を観るのもナツナさんとお会いするのも初めてで(と思っていたら、実は昨秋のヤマモトダイゴさん展覧会@senkiyaでお会いしていたことが判明!)、じっくりじっくりひとつひとつの作品を眺められて、在廊中のご本人とお話もできる貴重な機会でした。こうしてまたお一人、素敵な作家さんとご縁ができたことに感謝しています。

猿田 なつ奈 / 絵描き
茨城県つくば市在住
主な活動として
CDジャケット、フライヤー、
ミュージックビデオ等の制作、
ライブペインティング

年内最後の展示として、12月20日(日)〜22日(火)の日程で茨城県水戸市宮町のcafe + zakka + gallery MINERVAにて『 輝く日々と夜明け前 』を開催予定!